京都新聞コラムVol.17『新しい日本の文化』2024.6.25 真下彰宏

 

弊社代表の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

今回は、アメリカでの竹あかりの展示についてのお話です。

日本の新しい文化が海を越えました!

 

『新しい日本の文化』

突然ですが、「竹あかり」をご存じでしょうか?

竹筒の中にあかりを灯すと、そこには想像を超える美しい世界が広がります。

天然の竹の丸みが作る光のオブジェは、見る人の心を和ませて癒しの効果が期待されることから、近年この竹あかりを、日本中で見ることができるようになりました。日本の新しい文化が出来たのです。

乙訓地域でも毎年11月に開催されている「かぐやの夕べ」で、たくさんの竹あかりを見ることができます。

全国的に広まりをみせる竹あかりですが。1990年頃に実はここ乙訓地域から始まっています。

竹あかりがはじまるきっかけは放置竹林が問題化してきたことでした。

竹は古くから日本人の生活には欠かせない素材で、日用品の中にたくさん使われていました。

しかし現代ではプラスチック製品が出回ったことで日用品としての竹の出番は影を潜めるようになったのです。

竹林では使われない竹が増え続け、徐々に管理が行き届かなくなってきました。

それを見兼ねた「おとくに竹あそびの会」は放置された竹林の整備をボランティアで行うかたわら、伐採した竹を竹林にならべ、自らが楽しむためにと「竹あかり」を考案されたそうです。

当初は竹の先端をななめに切ったものにろうそくを入れるのが始まりでしたが、近年では竹自体に大小さまざまな大きさの穴を開けて模様を作り、内側にライトをいれる竹あかりが増えています。

竹の中が空洞である利点が活かされたものになり、それまでの短い筒だけではなく、3mを越える長いものも製作されだしました。

近年、私も京都駅や竹林公園・向日町競輪場などで竹あかりの展示を行うなど、精力的に活動し発信してきました。

そして今年、私はアメリカにある日本の文化を紹介する施設で竹あかりの展示をおこなう機会をいただきました。

驚くことにこの竹あかりはついに海を越えることになったのです!

約1年をかけて制作した竹あかりの数々は今年の6月から9月まで展示されます。

30年以上前に乙訓地域で生まれた新しい日本の文化は海外でどう評価されるのでしょうか?

竹は常に癒しを与えてくれます。

それは日本人だけではなく世界中のあらゆる人種の方がみんな感じることが出来るはずです。

竹あかりは間違いなく世界でも評価されると私は確信しています。

竹で世界中に笑顔を作ることが私の目標ですが、そこに一歩近づいたのは間違いありません。

(京都新聞洛西版2024.6.25)

【真下彰宏プロフィール】

長岡銘竹株式会社代表取締役
竹工芸 竹垣職人
京もの認定工芸士

1977年横浜生まれ。5歳の頃に京都府長岡京市へ移り住み、「竹」と身近に育つ。
京都伝統工芸専門校で竹工芸を学び、卒業後1998年に長岡銘竹株式会社に入社。入社以来、師である三島一郎(京の名工)に師事し、竹垣製作に従事する。主な仕事に、桂離宮、京都迎賓館、平安神宮、松花堂庭園などがある。
2015年3月、京都府知事より、「京もの認定工芸士」に認定される。
2016年から、アメリカやイタリアで竹垣の製作実演やワークショップをし、海外での竹工芸の普及を目指している。
2020年コロナ禍では、新しいデザインの竹垣の制作、竹林整備活動や竹あかり、SDGsで繋がるアドベンチャーワールドとの商品開発、メディア出演など、竹の魅力を国内に伝える活動に力を注いでいる。
2021年に代表取締役に就任する。

Akihiro Mashimo

Bamboo fence craftsman

Akihiro Mashimo was born in 1977 in Yokohama. He moved to Nagaokakyo City in Kyoto at the age of five, where he grew up around bamboo. He learned bamboo craftwork at the Traditional Arts School of Kyoto and then entered Nagaokameichiku Co., Ltd. in 1998 after his graduation. Afterwards, he studied under his teacher Ichiro Mishima (a recipient of the Kyoto Prefecture Traditional Industry Excellent Craftsman Award) and made bamboo fences. His major works are found at the Katsura Imperial Villa, Kyoto State Guest House, and Heian Jingu Shrine. He was recognized as a Certied Kyoto Traditional Products Craftsman by the governor of Kyoto Prefecture in March 2015.

経歴

2013年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2014年 竹工芸公募展in京都2014   京都市産業技術研究所長賞

2015年 竹工芸公募展in京都2015 佳賞

2015年 京都府知事より「京もの認定工芸士」に認定される。

2016年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2016年 米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園のJapanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017    米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2018年 米国ミズーリ州セントルイスのミズーリ植物園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。(3日間で2万人が来場する米国でも有数のフェス)

2018年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる

2019年 米国フロリダ州モリカミ庭園で、竹垣を製作する。また、講演やワークショップ、竹垣製作実演をする。

2019年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2019年 竹とSDGsの関係を世の中に発信するために「竹のQRコード」の販売を開始する。

2019年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

20204月 NHK WORLD-JAPANで国外向けに紹介される。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2029134/

(NHK WORLD-JAPAN Core Kyoto  On Demand)

2020年 全国一斉点灯の竹あかり「みんなの想火」の京都の立ち上げメンバーとして放置竹林の竹を使った竹あかりの製作を始める。

2020年 学生と地元の企業とコラボし、モダンなデザインの竹垣を手がける。

2020年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2020年 アドベンチャーワールドのSDGsの活動に共感し、パンダの食べ残しの竹を使った製品の販売を開始する。

20211月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

https://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/kyocolle/442826.html

2021年3月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

2021年4月 京都新聞でコラムの連載がスタートされる。

2021年7月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

2021年9月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

      UNIQLOとのコラボ企画で工芸を学ぶ学生と商品を制作する。

2021年11月 長岡銘竹株式会社の代表取締役に就任

2021年11月 京都府亀岡市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2021年12月 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2022年5月 MBS毎日放送「京都知新」で特集で活動を紹介される。

2022年8月 京都駅ビルで竹あかりイベントを開催。

2022年12月 竹工芸の展示品評会において4つの賞を受賞!

2023年1月 朝日放送「ほな行こCar!」にて活動を紹介される。

2023年3月 MBS毎日放送「Catch!」にて活動を紹介される。

2023年12月 竹工芸の展示品評会において2年連続で4賞を受賞!

2024年6月 米国フロリダ州モリカミ庭園で、竹あかりのエキシビジョンをする。