職人の真下です!
昨年に引き続き、アメリカのイリノイ州にあるアンダーソン日本庭園のサマーフェスティバルに実演に行ってまいりました。
「アメリカ出張体験記2017 ①」では実演部分をお伝えしましたので、この「アメリカ出張体験記2017 ②」では実演以外の部分をお伝えしようと思います。
今回の渡米では実演以外に京都の竹工芸を紹介する取り組みとして「竹垣」の設置をさせていただきました。
昨年も訪れたアンダーソン日本庭園ですが、僕の目から見て、ここに竹垣があればいいなーという場所がいくつか在りました。
その中で許可が出たのがこの場所です!
アンダーソン日本庭園のビジターセンターの2階から1階へ降りる階段の下のスペースです。
この場所は外気に晒されない屋内なので、今後何十年と残っていくことになると思います。
製作にも力が入ります。
庭園スタッフさんと僕らを繋ぐコーディネーターの方となんども話しをして、設置する竹垣は弊社の得意な竹の枝を使用した「竹枝穂垣」に決定しました。
「竹枝穂垣」は孟宗竹の枝を使用しますがアメリカに孟宗竹が生えていないので、日本で製作したものを現地へ送ることになりました。
竹は植物ですので、輸入には植物防疫法という法律に違反しないようにしないと海外への発送はできません。
アメリカへの輸入はいくつか条件があり、①竹が乾燥していること、②縦方向に割ってあることなどなど・・・。
輸入について、今振り返るとたくさんの壁がありましたがなんとかなりました。
壁にぶち当たると、なぜか解決していただける方とご縁が生まれアメリカでの竹垣設置が実現しました。
この場をお借りして、お世話になった方々に感謝申し上げます!とともに、せっかくできましたご縁ですので今後の展開についても楽しみにしています。
さて、竹垣の製作です。
孟宗竹の枝、一本一本を手に取りながら節間を揃えます。
綺麗に節を揃えるために、この作業に時間を費やします。
節が揃えられたら、左右に伸びた枝を編んでいきます。
編んだ枝を木枠に貼り、パネル状に作り上げます。
今回設置する竹垣は幅約5メートル!
この1メートル幅のパネルを5枚作りました。
現地で仕上げをするのでこの状態で梱包し、発送しました。
「meets japanese artisan 長岡銘竹株式会社」でここまでの様子が動画でご覧いただけます。
アメリカでは、パネルと押さえ竹がちゃんと届いてました!
設置場所では、足元の瓦が外され石にシートが被せられ準備万端!
5枚のパネルを結合して設置しました。
押さえ竹をつけて、縄をかけて完成!
実演で製作した「光悦寺垣」も同じところへ設置していただきました。
この通路を行き交う人々から『COOL!』『Fantastic!』と声をかけられとても注目を浴びていました!
施工前と施工後を比べると、違いは歴然!
どこか殺風景な感じのするお庭から趣と温かみのあるお庭に生まれ変わったと思いませんか?
これぞ竹垣の力!これぞ竹の力!
竹は素朴な素材ですが、温かみのある空間を作ります。
日本の心、和の心のこれからも世界へ発信していきます。
最後に・・・日本人の心を持つ庭園の管理をしているTim氏と記念撮影!
2017年の夏の取り組みを動画にしました。
ぜひ、ご覧ください。
アメリカ出張体験記2017 ①はこちら!
昨年の様子はこちらで・・・