京都新聞コラムVol.3『「竹」はサスティナブルな素材』2021.9.7 真下彰宏

弊社職人の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

ぜひご一読ください。

『「竹」はサスティナブルな素材』

竹は近年エコな素材として注目されています。その背景には、脱プラスチックの動きが世界的に加速したことが挙げられるのではないでしょうか?SDGsという言葉をテレビなどでもよく聞くようになりましたが、SDGsってご存知ですか?SDGs2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として20159月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2030年までの15年間で達成するために掲げた17の目標です。今、なぜ「竹」が注目されているのか?それは、竹は「土から生まれ土に還る」からです。竹製品は土の中から生まれた竹を人の手によって形を変え、昔から生活の中に身近に取り入れられてきました。そして、使い終われば「土」に還す。この循環こそがまさにSDGs!「竹」がSDGsにぴったりの素材だと言われる所以(ゆえん)です。この循環は今始まったわけではなくて、竹取の翁の頃からずっと竹はSDGsな素材なんです。脱プラの動きが加速したことで今まさに気付かされているんだと思います。近年ではプラスティック製品が日常生活の中で竹の代わりに使われてきましたが、お箸などの食器をはじめとして現代の生活の中に少しでも天然素材を取り入れたいという人が今は確実に増えてきています。ただ、一度途切れた循環は即座には戻りません。竹藪を管理する人の高齢化が進んだり竹材の需要が落ち込んだこともあり、人の手が入らなくなって荒れ果てた竹藪が日本中に溢れかえっており「放置竹林」と呼ばれ問題化しています。そんな「放置竹林」の現状を知っていただく取り組みとして、実際に放置竹林に入り竹藪を清掃する活動も進めています。放置竹林では縦横無尽に暴れ回る枯れた竹を取り除き、生え過ぎた竹を間引いて竹林を再生していきます。間引いた竹は廃棄せず竹あかりや商品の制作に使用しています。近年SDGsの流れからエコな素材として大注目の「竹」ですが、放置竹林の現状を知っていただくことで竹を使うことへの価値や意味をもっと感じていただけると思っています。910日からユニクロ京都河原町店3階のサスティナビリティコーナーにおきまして、エコな自然素材である竹を使った脱プラスチック製品を展示致します。アパレルメーカーのUNIQLOと竹垣職人の私と竹工芸を学ぶ学生達とがコラボしてサスティナブルな商品を開発する企画です。若い感性を取り入れたおしゃれな作品が店舗に並びます。

(京都新聞洛西版2021.9.7)