京都新聞コラムVol.15『竹の音おすすめスポット』2024.2.6 真下彰宏

 

弊社代表の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

今回は、京都市洛西竹林公園と向日市竹の径について。どちらも竹垣の製作に携わらせていただいています。

京都市大原野エリア・乙訓エリアのおすすめスポットなのでぜひご一読いただい、魅力を味わいに来てください。

 

『竹の音おすすめスポット』

乙訓地域にお住まいのみなさんには、ぜひ訪れてほしいスポットがあります。京都市洛西竹林公園です。ここは日本屈指の竹の博物館。世界中から集められた約100種類の竹を見たり、京都の竹工芸や竹の歴史についても学ぶことができます。日本の竹は海外からの関心も高く、京都へ訪れた外国人にも人気のスポットです。竹に関心がある方だけではなくて、茶道やお庭が好きな方にもおすすめです。資料館の玄関や茶室の周りには私が製作した竹垣もございますので、お立ち寄りの際には探してみてください。

竹林公園までの道のりには「竹の径」があります。竹の径には竹林と道路の境目に竹垣がありますが、その距離なんと1.8kmにも及びます。以前は不法投棄の多い場所でしたが、今では「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれるほどでです。ここの竹林は、筍を掘るために農家さんが整備している竹藪が多く、傘を開いたままでも歩けるほどに間引きされているうえに竹の高さも低くなるように手入れされているので日差しが地面まで届き明るい竹林が多いのが特徴です。竹林の前にある竹垣は地元の竹に関わる業者が集まり、毎年この時期に古くなった竹垣の修繕工事をしています。寒い中での作業となりますが、先日はうっすらと雪化粧した竹林がとてもきれいでした。竹の径には竹穂垣をメインに、地元の町名や河川から名前をとった物集女垣、深田垣、海道垣などオリジナルの竹垣が全部で8種類あります。細く割った竹を芯材に巻き付けていく古墳垣や形の整った菱が何十メートルも続く寺戸垣などプロの技が幾重にも散りばめられた竹垣がたくさんあるのが向日市の竹の径の魅力の一つです。竹垣にプロの技を感じながら、笹が風になびく音を聞き、まるで竹林の中を散策しているかのような気分を楽しめるのは世界中探してもここだけでしょうね!

修繕工事をしていると、散策中の方とお話しすることがよくあります。中には一緒に製作したいとおっしゃる方も。竹の魅力を感じるには、見るだけではなくて、竹に触れて・竹を知って・竹を感じていただくのが一番!いつか近隣の方と一緒に乙訓中に竹垣を作ることができたらいいなと、そんなことも考えながらの作業です。

ご紹介した竹林公園の資料館も竹の径の散策も無料で楽しめます。年中竹の音が感じられる素晴らしい場所が近隣にあることを頭の片隅においていただき、ぜひ訪れてみてください。

(京都新聞洛西版20234.2.6)

【真下彰宏プロフィール】

長岡銘竹株式会社代表取締役
竹工芸 竹垣職人
京もの認定工芸士

1977年横浜生まれ。5歳の頃に京都府長岡京市へ移り住み、「竹」と身近に育つ。
京都伝統工芸専門校で竹工芸を学び、卒業後1998年に長岡銘竹株式会社に入社。入社以来、師である三島一郎(京の名工)に師事し、竹垣製作に従事する。主な仕事に、桂離宮、京都迎賓館、平安神宮、松花堂庭園などがある。
2015年3月、京都府知事より、「京もの認定工芸士」に認定される。
2016年から、アメリカやイタリアで竹垣の製作実演やワークショップをし、海外での竹工芸の普及を目指している。
2020年コロナ禍では、新しいデザインの竹垣の制作、竹林整備活動や竹あかり、SDGsで繋がるアドベンチャーワールドとの商品開発、メディア出演など、竹の魅力を国内に伝える活動に力を注いでいる。
2021年に代表取締役に就任する。

Akihiro Mashimo

Bamboo fence craftsman

Akihiro Mashimo was born in 1977 in Yokohama. He moved to Nagaokakyo City in Kyoto at the age of five, where he grew up around bamboo. He learned bamboo craftwork at the Traditional Arts School of Kyoto and then entered Nagaokameichiku Co., Ltd. in 1998 after his graduation. Afterwards, he studied under his teacher Ichiro Mishima (a recipient of the Kyoto Prefecture Traditional Industry Excellent Craftsman Award) and made bamboo fences. His major works are found at the Katsura Imperial Villa, Kyoto State Guest House, and Heian Jingu Shrine. He was recognized as a Certied Kyoto Traditional Products Craftsman by the governor of Kyoto Prefecture in March 2015.

経歴

2013年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2014年 竹工芸公募展in京都2014   京都市産業技術研究所長賞

2015年 竹工芸公募展in京都2015 佳賞

2015年 京都府知事より「京もの認定工芸士」に認定される。

2016年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2016年 米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園のJapanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017    米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2018年 米国ミズーリ州セントルイスのミズーリ植物園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。(3日間で2万人が来場する米国でも有数のフェス)

2018年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる

2019年 米国フロリダ州モリカミ庭園で、竹垣を製作する。また、講演やワークショップ、竹垣製作実演をする。

2019年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2019年 竹とSDGsの関係を世の中に発信するために「竹のQRコード」の販売を開始する。

2019年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

20204月 NHK WORLD-JAPANで国外向けに紹介される。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2029134/

(NHK WORLD-JAPAN Core Kyoto  On Demand)

2020年 全国一斉点灯の竹あかり「みんなの想火」の京都の立ち上げメンバーとして放置竹林の竹を使った竹あかりの製作を始める。

2020年 学生と地元の企業とコラボし、モダンなデザインの竹垣を手がける。

2020年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2020年 アドベンチャーワールドのSDGsの活動に共感し、パンダの食べ残しの竹を使った製品の販売を開始する。

20211月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

https://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/kyocolle/442826.html

2021年3月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

2021年4月 京都新聞でコラムの連載がスタートされる。

2021年7月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

2021年9月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

      UNIQLOとのコラボ企画で工芸を学ぶ学生と商品を制作する。

2021年11月 長岡銘竹株式会社の代表取締役に就任

2021年11月 京都府亀岡市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2021年12月 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2022年5月 MBS毎日放送「京都知新」で特集で活動を紹介される。

2022年8月 京都駅ビルで竹あかりイベントを開催。

2022年12月 竹工芸の展示品評会において4つの賞を受賞!

2023年1月 朝日放送「ほな行こCar!」にて活動を紹介される。

2023年3月 MBS毎日放送「Catch!」にて活動を紹介される。

2023年12月 竹工芸の展示品評会において2年連続で4賞を受賞!