京都新聞コラムVol.14『師走』2023.11.28 真下彰宏

 

弊社代表の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

今回は、皆さんがイメージする竹の季節は?・・・そんな視点で書いております。
筍?流しそうめん?竹林?さて?

ぜひご一読ください。

 

『師走』

秋の京都は楽しみどころが満載でしたね!
ご飯も美味しいし、景色も良いし、コロナも落ち着き今年はイベントも盛りだくさんでした!
京都に住んでてよかった!と思える季節です。
竹垣職人の私も毎週末イベントに参加させて頂き、お客様に竹と触れていただきました。

イベントでは竹箸や竹籠を作るワークショップ、竹工芸の製作実演、商品販売などしております。たくさんの方々にお越しいただき竹工芸に触れていただく機会をいただけることは本当にありがたいことです!参加された方々からは、楽しかった!竹について深く知ることができてよかった!とご感想いただいております。海外からも大注目の竹ですから、日本人の方にも竹をもっと知ってもらいたいと思っています。皆様も竹工芸に触れてみてください。

さて、竹といえば皆さんがイメージする季節はいつでしょうか?春は美味しい筍が生える季節。夏は見た目の涼を誘う流しそうめんや青竹の酒器をイメージします。秋は竹を切る季節に入り僕ら職人は忙しくなります。冬は雪化粧した竹林が美しく…そんな風景を思い浮かべる方も少なく無いかもしれません。
季節に関係なく年中活躍する竹ですが、私がイメージする竹の季節は実は「師走」だったりします。
年が変わりお正月にはたくさんの青竹が使われています。新しい気分で迎える年初めには青い竹が縁起が良いとされています。門松、お節料理の青竹の器、柳掛け、床の間のお花を生ける花器や食事を頂くお箸も青竹になります。
そんな準備に大忙しの師走が私がイメージする竹の季節になります。
竹垣職人の私は年の瀬にはたくさんの竹垣を作りに毎日現場へ出向きます。古くなった竹垣が真新しい竹垣に生まれ変わった時、それはなんとも言えぬ神聖な空間になります。きっと神様が青竹を目印に現れてくるんだと思います。年末の慌ただしさの中、そこだけは時が止まったように静かで落ち着いた空間となり、ずっと見ていられます。お正月はこのお庭を眺めながら過ごされるんだと思うと、なんだかとても羨ましいです。

昨今このような庭もみるみる減ってきてますが継承すべき大事な日本の文化です。途絶えることがないように次の世代へしっかりと引き継いでいきたいです。

(京都新聞洛西版2023.11.28)

【真下彰宏プロフィール】

長岡銘竹株式会 代表取締役
竹工芸 竹垣職人
京もの認定工芸士

1977年横浜生まれ。5歳の頃に京都府長岡京市へ移り住み、「竹」と身近に育つ。
京都伝統工芸専門校で竹工芸を学び、卒業後1998年に長岡銘竹株式会社に入社。入社以来、師である三島一郎(京の名工)に師事し、竹垣製作に従事する。主な仕事に、桂離宮、京都迎賓館、平安神宮、松花堂庭園などがある。
2015年3月、京都府知事より、「京もの認定工芸士」に認定される。
2016年から、アメリカやイタリアで竹垣の製作実演やワークショップをし、海外での竹工芸の普及を目指している。
2020年コロナ禍では、新しいデザインの竹垣の制作、竹林整備活動や竹あかり、SDGsで繋がるアドベンチャーワールドとの商品開発、メディア出演など、竹の魅力を国内に伝える活動に力を注いでいる。
2021年に代表取締役に就任する。

Akihiro Mashimo

Bamboo fence craftsman

Akihiro Mashimo was born in 1977 in Yokohama. He moved to Nagaokakyo City in Kyoto at the age of five, where he grew up around bamboo. He learned bamboo craftwork at the Traditional Arts School of Kyoto and then entered Nagaokameichiku Co., Ltd. in 1998 after his graduation. Afterwards, he studied under his teacher Ichiro Mishima (a recipient of the Kyoto Prefecture Traditional Industry Excellent Craftsman Award) and made bamboo fences. His major works are found at the Katsura Imperial Villa, Kyoto State Guest House, and Heian Jingu Shrine. He was recognized as a Certied Kyoto Traditional Products Craftsman by the governor of Kyoto Prefecture in March 2015.

経歴

2013年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2014年 竹工芸公募展in京都2014   京都市産業技術研究所長賞

2015年 竹工芸公募展in京都2015 佳賞

2015年 京都府知事より「京もの認定工芸士」に認定される。

2016年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2016年 米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園のJapanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017    米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2018年 米国ミズーリ州セントルイスのミズーリ植物園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。(3日間で2万人が来場する米国でも有数のフェス)

2018年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる

2019年 米国フロリダ州モリカミ庭園で、竹垣を製作する。また、講演やワークショップ、竹垣製作実演をする。

2019年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2019年 竹とSDGsの関係を世の中に発信するために「竹のQRコード」の販売を開始する。

2019年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

20204月 NHK WORLD-JAPANで国外向けに紹介される。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2029134/

(NHK WORLD-JAPAN Core Kyoto  On Demand)

2020年 全国一斉点灯の竹あかり「みんなの想火」の京都の立ち上げメンバーとして放置竹林の竹を使った竹あかりの製作を始める。

2020年 学生と地元の企業とコラボし、モダンなデザインの竹垣を手がける。

2020年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2020年 アドベンチャーワールドのSDGsの活動に共感し、パンダの食べ残しの竹を使った製品の販売を開始する。

20211月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

https://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/kyocolle/442826.html

2021年3月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

2021年4月 京都新聞でコラムの連載がスタートされる。

2021年7月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

2021年9月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

      UNIQLOとのコラボ企画で工芸を学ぶ学生と商品を制作する。

2021年11月 長岡銘竹株式会社の代表取締役に就任

2021年11月京都府亀岡市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2021年12月 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2022年5月 MBS毎日放送「京都知新」で特集で活動を紹介される。

2022年8月 京都駅ビルで竹あかりイベントを開催。

2022年12月 竹工芸の展示品評会において4つの賞を受賞!

2023年1月 朝日放送「ほな行こCar!」にて活動を紹介される。

2023年3月 MBS毎日放送「Catch!」にて活動を紹介される。