京都新聞コラムVol.12『7月の竹に注目!』2023.7.11 真下彰宏

 

弊社代表の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

今回は、竹の花についてご紹介しております。
花と聞くときれいな花を想像しますが、竹の花はいったい…?

ぜひご一読ください。

『7月の竹に注目!』

気がつけば一年のうちの半分が過ぎました。7月です!早いものですね!

早いといえば竹の成長がとても早いのはご存じですか?みなさん4月に筍は食されましたか?

筍栽培が盛んな乙訓地域で旬にいただく筍はとても美味しいですね!私もたくさん頂きました!

しかしあの筍、掘らずに成長を続けたとしたら、今頃はどうなってると思いますか?

まだまだちっちゃな赤ちゃん?そこそこ育って人の背丈くらい?いやいや、もっともっと育ってます!

周りの竹と比べても違いがわからないくらい成長しています!

覆っていた茶色の皮は落ちて、枝葉も生え揃い、鮮やかな緑色で佇んでいます。

竹の成長スピードはとても早く、なんと3ヶ月で大人の姿になります。

不思議なくらい成長が早い植物が竹なんです。

ところで7月に竹といえば、みなさんイメージするのは七夕飾りと流しそうめんですよね。

七夕は、願い事を書いた短冊などの七夕飾りを笹に吊るし、人々が楽しむための行事ですが、

昔は今とは違い、もっと儀式的な神事だったようです。

昔の七夕は収穫祭として行われていて、神様へのお供え物として収穫した野菜を笹に飾っていたようです。

今では、竹の成長の早さにあやかって、自らの願い事を天に届くように短冊に書いて笹に吊るしていますが、短冊と一緒にナスやすいかなどの飾り付けをするのは収穫祭として行われてきた時の名残だそうです。

形は違えど昔から伝わる文化的行事ですし、これからも大事にしたい文化です。

流しそうめんは、戦後に九州から全国に広まったようです。

夏になると竹に流す冷たい素麺が食べたくなります。

私は毎年恒例行事として行っており、仲間と一緒に竹を割り、ワイワイ言いながら流すそうめんは最高に美味しいものです。

そして今月には、日本三大祭のひとつである祇園祭で山鉾巡行が行われますが、山鉾巡行の際に山鉾が方向転換する辻回しでも竹が使われています。

道路と鉾の間に割った青竹をならべて10トンもある鉾を回転させる姿は一見の価値ありです!

こういった昔ながらの行事には必ずといって良いほど竹が使われています。

それだけ日本の生活には竹が欠かせないものだったということですね。

竹は素晴らしい素材です。

昔も今も日本人の側にあった、今一度注目してみませんか?

(京都新聞洛西版2023.7.11)

【真下彰宏プロフィール】

竹工芸 竹垣職人

京もの認定工芸士

1977年横浜生まれ。5歳の頃に京都府長岡京市へ移り住み、「竹」と身近に育つ。

京都伝統工芸専門校で竹工芸を学び、卒業後1998年に長岡銘竹株式会社に入社。入社以来、師である三島一郎(京の名工)に師事し、竹垣製作に従事する。主な仕事に、桂離宮、京都迎賓館、平安神宮、松花堂庭園などがある。2015年3月、京都府知事より、「京もの認定工芸士」に認定される。2016年から、アメリカやイタリアで竹垣の製作実演やワークショップをし、海外での竹工芸の普及を目指している。2020年コロナ禍では、新しいデザインの竹垣の制作、竹林整備活動や竹あかり、SDGsで繋がるアドベンチャーワールドとの商品開発、メディア出演など、竹の魅力を国内に伝える活動に力を注いでいる。

Akihiro Mashimo

Bamboo fence craftsman

Akihiro Mashimo was born in 1977 in Yokohama. He moved to Nagaokakyo City in Kyoto at the age of five, where he grew up around bamboo. He learned bamboo craftwork at the Traditional Arts School of Kyoto and then entered Nagaokameichiku Co., Ltd. in 1998 after his graduation. Afterwards, he studied under his teacher Ichiro Mishima (a recipient of the Kyoto Prefecture Traditional Industry Excellent Craftsman Award) and made bamboo fences. His major works are found at the Katsura Imperial Villa, Kyoto State Guest House, and Heian Jingu Shrine. He was recognized as a Certied Kyoto Traditional Products Craftsman by the governor of Kyoto Prefecture in March 2015.

経歴

2013年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2014年 竹工芸公募展in京都2014   京都市産業技術研究所長賞

2015年 竹工芸公募展in京都2015 佳賞

2015年 京都府知事より「京もの認定工芸士」に認定される。

2016年 バンブーデザインコンペ 奨励賞

2016年 米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園のJapanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017    米国イリノイ州ロックフォードのアンダーソン日本庭園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。

2017年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2018年 米国ミズーリ州セントルイスのミズーリ植物園で、竹垣を製作する。Japanese Festivalに参加し、竹垣製作実演をする。(3日間で2万人が来場する米国でも有数のフェス)

2018年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる

2019年 米国フロリダ州モリカミ庭園で、竹垣を製作する。また、講演やワークショップ、竹垣製作実演をする。

2019年 イタリア・ローマでギャラリー「DOOZO」にて竹垣製作実演・講演・ワークショップをする。

2019年 竹とSDGsの関係を世の中に発信するために「竹のQRコード」の販売を開始する。

2019年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

20204月 NHK WORLD-JAPANで国外向けに紹介される。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2029134/

(NHK WORLD-JAPAN Core Kyoto  On Demand)

2020年 全国一斉点灯の竹あかり「みんなの想火」の京都の立ち上げメンバーとして放置竹林の竹を使った竹あかりの製作を始める。

2020年 学生と地元の企業とコラボし、モダンなデザインの竹垣を手がける。

2020年 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2020年 アドベンチャーワールドのSDGsの活動に共感し、パンダの食べ残しの竹を使った製品の販売を開始する。

20211月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

https://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/kyocolle/442826.html

2021年3月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

2021年4月 京都新聞でコラムの連載がスタートされる。

2021年7月 NHK京都放送局にて活動を紹介される。

2021年9月 KBS京都放送局にて活動を紹介される。

      UNIQLOとのコラボ企画で工芸を学ぶ学生と商品を制作する。

2021年11月 長岡銘竹株式会社の代表取締役に就任

2021年11月京都府亀岡市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2021年12月 地元、京都府長岡京市のイルミネーションイベントで竹のオブジェ製作に携わる。

2022年5月 MBS毎日放送「京都知新」で特集で活動を紹介される。

2022年8月 京都駅ビルで竹あかりイベントを開催。

2022年12月 竹工芸の展示品評会において4つの賞を受賞!

2023年1月 朝日放送「ほな行こCar!」にて活動を紹介される。

2023年3月 MBS毎日放送「Catch!」にて活動を紹介される。