京都新聞コラムVol.7『京銘竹は何種類?』2022.7.5 真下彰宏

弊社代表の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

ぜひご一読ください。

『京銘竹は何種類?』

京都府や京都市で指定されている工芸品に「京銘竹」があります。

初めて聞いたという方も少なくないでしょう。京銘竹は先人達の知恵と工夫と技が詰め込まれた竹ですが今は需要が右肩下がりでも素晴らしい竹なんです!そんな京銘竹のお話です。

京銘竹といっても京都で取れた竹の全てが京銘竹ではありません。竹林で竹を育て、美しく加工された竹のうちの『白竹·胡麻竹·図面角竹·亀甲竹』の4種類が京銘竹と呼べれます。もっとたくさんありそうな感じがしますよね?

この4種類の竹の作り方をざっと説明しておきます。

白竹は、真竹を火炙り技法で油抜きをしたもの。油抜きとは、青竹の表面を弱い火で焦げないように炙り、中の油分をじわっとだす。出てきた油分を布できれいに拭き取り天日に干すことで白くて艶のある竹となります。主に建築素材として使われています。

胡麻竹は、竹藪に立っている竹の葉っぱ部分を切り落としてしまう。そうすることで竹は光合成ができなくなり、半分枯れた状態になる。枯れた竹の表面に菌が纏い、その菌が胡麻のような斑点に見えることから胡麻竹と呼ばれてます。これも油抜きをすることで表面に光沢が出来、茶道具などに用いられる高級素材となります。

図面角竹は、筍が生えてくる時に四角い木枠を被せてその中で成長させることで四角い竹を作ります。その竹に、特殊な溶液を塗っていくと竹が焼けて地図のような模様になります。昔は床の間の柱にたくさん使われていたようですが今はほとんど需要が無くなった竹です。

亀甲竹は、孟宗竹の突然変異で生まれたそうです。亀の甲羅が連なったような独特な形の竹。どうやって作ってるんですか?ってよく聞かれますが驚くことに自然に生えてきます。油抜きをして花器や結界などに使われます。

京銘竹は、このように職人の手技によって作られています。その製法は京都でしか受け継がれておらず守るべき文化ですが、近年京銘竹を作る職人の数も数えるほどしかおりません。京銘竹を使用した商品は、お箸などのインテリア雑貨にも実は多く出回っています。しなやかで軽くて使いやすいのが特徴です。京都で生まれた文化を後世に残す為にも、ぜひ京銘竹を暮らしの中に取り入れてみてください。

(京都新聞洛西版2022.7.6)