京都新聞コラムVol.1 『おとくにと竹』2021.5 .6真下彰宏

京都新聞

弊社職人の真下彰宏が京都新聞洛西版のコラムを執筆しております。

ぜひご一読ください。

 

「おとくにと竹」

竹垣専門店長岡銘竹株式会社

竹垣職人・京もの認定工芸士

真下彰宏

「長岡京市で幼少期から過ごしたという事もあるのかもしれませんが『竹』は私にとって身近な存在でした。

私のモットーは、「竹で世界中を笑顔に!」そんな目標を掲げている私ですが、今回は乙訓で笑顔になれる「竹」をご紹介します。

乙訓の中で見ることができる竹は、孟宗竹や真竹が主流ですが、昔から黒竹の産地だった大山崎町には黒竹がたくさん生えています。時代の変化とともに段々貴重な存在となりつつある黒竹の竹林ですが、身近で鑑賞できるのが乙訓です。

竹の鑑賞といえば、竹好きの方におすすめなのが「京都市洛西竹林公園」です!日本中見てもこれだけの規模の竹の資料館は珍しくて、園内では約110種類の竹を鑑賞できます!私が作った竹垣や竹製品もここで見ることができます。

おすすめの行き方は、向日市の「竹の径(たけのみち)」を通り抜けてください。竹の径は竹林浴ができる数少ない竹スポットです!

竹の径は車でも通り抜けられますが、晴れた日には『竹林浴』が本当に気持ち良いので、これからの季節は徒歩がおすすめです。

長岡京市にある柳谷観音楊谷寺では花手水が有名です。花で埋められた手水鉢はいつも丁寧に手入れされていてつい笑顔になります。花手水を写真を撮ると竹の存在に気付きます。写真を撮るときには足元の縁側にも竹の存在を感じます。風景に溶け込みながら周りを引き立てるのが「竹」。周りに邪魔せず主張もしない名脇役が「竹」なんですよね。

この時期の竹は、筍をぐんぐんと伸ばし生命力を強く感じます!

竹の不思議なところの一つは他の植物にはない成長の速さです。竹は地上に出てから3ヶ月で大人の姿になるってご存知ですか?

地上に出たときの筍の太さが成長した時の太さと決まっており、3ヶ月で大人の背丈まで伸びた後はそこからは太りもしないし伸びもしない、不思議な不思議な植物です。

それに竹はしなやかで強く、中が空洞なのに風が吹いても折れない強靭な面もあります。

竹が風に揺れて笹がサラサラと音を立てる。静寂な景色の中に身を置くと、竹から癒しや和みを感じ、自然界からのエネルギーをたくさんもらえます。ちょうど今竹の子が成長しているときです。ゴールデンウィークにどこも行くところがないって方は、乙訓の竹めぐりしてみてはいかがでしょうか。」

(京都新聞洛西版2021.5.4)