竹工芸の品質を左右する良い材料、悪い材料。

先日、竹屋さんばかりで成る組合の懇親会の席でこんなお話しが話題となりました。

「◯◯◯◯の(京都市内某所・実際の場所はふせておきますが…。)竹垣が劣化しやすい竹を使っているために、汚ならしい。あんな目立つところで(実際には目立つ目立たないは関係ありませんが)、あんな竹使ったらあかんで!もっと伝統産業としてのこだわりをもたないと!」
と言うのです。
竹屋なら、「この竹材を使えば劣化しやすく、この竹材なら長持ちする。」という事は分かっているはずなのですが・・・。
では、なぜそのような劣化しやすい竹材を使うのか?

 

それは、劣化しやすい竹材の方が値段が安いのです。

 

現代の日本人の物の見方は、長い不景気な時代背景ゆえ、「価値」から「価格」へと変わってます。

安さに目が向き、安さを求めて「物」を探します。

 

そもそも、我々製造元はたとえ 安さを求められたとしても品質の変わらないよい商品を届けようという思いがあります。なので、品質はそのままで価格を抑える努力をしています。

しかしながら、先程の会話の中の事例では、残念な事に竹材の品質を落とし、お客様の事を考えず自らの利益を得ようとする製造者がいる事に対しての怒りな訳です。

竹材の品質の違いは、竹垣の出来上がりには、さほど差を感じません。そのため、素人の方が判別することは非常に困難なことです。

ですが、竹材の品質の違いは竹垣が出来てからしばらくしてから、明らかに差が生まれてきます。

耐久年数も当然変わり、竹材の品質を落とすと耐久年数も短くなってしまいます。

われわれプロの職人なら、素人には判断できないところで品質を落とすと言うことは、あってはならないことだと感じています。

 

品質の悪い竹材を使う事への怒りはそれだけにとどまらず、我々の業界では伝統工芸としての竹工芸を次の時代へ必ず繋いでいかなくてならない使命があります。
それは、竹工芸だけに限らず、伝統工芸全般に言える事でもあります。そんな使命を感じてはいますが、昨今では、どの伝統工芸品も需要の減少に歯止めがかからず衰退しています。

それにも関わらず、たくさんの方の目にとまる場所での竹垣施工に、そのような品質の悪い竹垣がなされた事に対してのもう一つの怒りもあります。
本来なら、その竹垣の前を通る方々に、「素敵な竹垣ですね!」や「さすが京都の技術はちがいますね!」と思って頂けるようにお作りしていますが、このような品質の悪い竹垣があれば見る方はどう思うのでしょう?
果たして、「欲しい」と感じる事はおろか、「素敵!」とも思っていただけないのではないでしょうか?

高い技術を売りにしている京都にも、残念ながらそのような業者もおります。(ごくごく一部の業者です。)
また、本来なら竹屋へ回る仕事を回さず、経験の少ない方がへんてこな施工をされている物も残念ながらたくさんあります。

京都が世界へ誇る、竹工芸や京銘竹の伝統の技術を守るために、我々も業界をあげて必死に戦っております。

 

少々硬いお話になりましたが、この先も竹工芸を伝統産業として発展させていくには大切な考えだと思います。

 

この記事をご覧の皆様におかれましては、くれぐれも品質を第一に考えて、伝統工芸である竹工芸を楽しんで頂きたくお願い申し上げます。

弊社の竹垣・竹製品はもちろん品質に自信があります。

高い買い物だからこそ、納得のいくまでご相談いただきまして、安心できる施工業者をお選びください。

また、販売業者さまに対しての卸販売も致しております。
販売業者様に対しても品質を第一に考えてお取り引きさせて頂いております。
お問い合わせには、職人自らが対応させて頂いております。

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